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――私は、数ヶ月ぶりに太陽と一つになった。
太陽の手が、唇が、ためらいがちに、愛おしげに私の肌を伝う。
まだ元気だった頃の太陽との行為とは、全く違う。
身体の動かない太陽を、私は見下ろしていた。
本当は、昔みたいに上から私を力強く抱きしめてほしかった。
でも、そんなのは、私の勝手な我儘。
こうやって、裸で抱き合えるだけでも幸せだと思わなくちゃね。
「ハァー…そら…ハァハァ…ありぁとな…」
息を切らせ、私の胸の中で小さく蹲る太陽。
2年前よりも遥かに細くなった腕を、必死に私の背中にまわす。
「太陽」
私の胸の中からゆっくりと顔を上げると、太陽は私の耳元にキスを落とした。
「チュ」
か細くて、愛しい音が耳にこだました。
そして、その直後、温かった胸を一気に凍らせたんだ。
そう。
この時、私は、太陽の光が届かない暗い闇に閉じ込められたんだ。
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