10

8/13
前へ
/31ページ
次へ
ドクンッ――----! 「えっ…太陽…今、なんて…?」 訳のわからない太陽の言葉に、顔を傾けた。 「も…ここ…に……こないれ」 弱々しくてか細い声。 言いながら、苦渋の顔を浮かべる太陽。 どうして? ねぇ、太陽。 どうして、そんな顔をして、そんなこと言うの? 冗談なんでしょ? 「嫌ッ」 震える声を必死に抑え、低い声で吐き捨てるように言った。 少しでも息をすると、涙が零れてしまいそうだ。 それでも、私は必死に涙を堪え、太陽を強い眼差しで睨みつけた。 すると、太陽は一生懸命に身体を起こし、私を優しく抱きしめると、節ばった大きな手のひらで私の頭を包んだ。 「おれ…もお…なんにも…そらに…してやれな…い。 そら…には、そらの…じん…せいが…あるだろ? これから…いろんな…ひとと、れあって…しあわせに…なるのあ…そらの…やくめだ。 もー、じゅーぶんらよ… おれ…は…おま…えに…じゅーぶん…しあわせにしてもら…た。 そら…ありあとぉ」
/31ページ

最初のコメントを投稿しよう!

35人が本棚に入れています
本棚に追加