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私の頭に、温かい水滴が落ちてきた。
必死に話す太陽の声が、
必死に私の頭を掴む太陽の手が、
必死に私を抱きしめる太陽の身体が
――震えている。
それが、あなたの固い決心のようで、怖くて、悲しくて、次から次へと堪えていた大粒の涙が私の頬を濡らしていく。
「いやだよぉ…たいよぉ…
そんな…ヒック…こと、言わないでよぉ…ウゥゥ」
太陽の傍にいたいよ…
「太陽が居なくなったら……エックヒック…
あたしっ…生きていけないよぉ…フゥゥッ」
今さっき、一つになったばっかりじゃない?
また、明日もこうやって抱きしめてよ。
太陽にしがみつきながら、泣きじゃくる私の顔をそっと覗き込むと、太陽は無理に作った笑顔を私に向けた。
その温かい笑顔も一瞬、太陽はうって変わって、冷ややかな表情になった。
濡れた睫毛の奥の冷たい瞳が、私を凝視する。
「もお…めいわく…なんらよ」
今まで聞いた事もないような、重圧で低い声が突き刺さる。
一瞬眩暈がして、意識が飛びそうになった。
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