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うっとりとした表情の妻を前に、しかし、俺は冗談じゃないと思っていた。
急だった事もあり、当日までばたばたと忙しかったし、良家の意見がまとまらず散々もめた。
妻だって、妊娠初期で体調が悪く、精神的にも不安定だったはずなのに、今、彼女の中で披露宴は最高の思い出として美化されているらしい。
それが信じられなかった。
「俺はごめんだな。あんな見世物みたいに一段高いところに登ってへらへらするなんて」
正直に感想を述べると、また、妻は不機嫌になってしまった。
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