episode5・②

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妻には申し訳ないけれど、自分たちの結婚式を思い出すとき、俺が真っ先に思い浮かべるのは、美杉との最後の電話だ。 式が終わり、二次会の途中で、俺はそっと抜け出すと、彼女に電話をかけた。 式の間中彼女のことが気になって仕方がなかった。そのせいで、会場で、彼女の幻すら見てしまうほどに。 _今日、結婚式だったんだ 電話に出た彼女に、俺は真っ先に告げた。 彼女のためにではない。俺が、罪悪感から解放されたいがためだった。
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