43人が本棚に入れています
本棚に追加
妻には申し訳ないけれど、自分たちの結婚式を思い出すとき、俺が真っ先に思い浮かべるのは、美杉との最後の電話だ。
式が終わり、二次会の途中で、俺はそっと抜け出すと、彼女に電話をかけた。
式の間中彼女のことが気になって仕方がなかった。そのせいで、会場で、彼女の幻すら見てしまうほどに。
_今日、結婚式だったんだ
電話に出た彼女に、俺は真っ先に告げた。
彼女のためにではない。俺が、罪悪感から解放されたいがためだった。
最初のコメントを投稿しよう!