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長い沈黙の末、
_幸せになってね
美杉はようやく声を絞り出した。
それが彼女の本心ではないと知りながら、俺は、
_ありがとう。美杉もな。
鈍感なふりをして、間抜けな返答をした。
ここで一時的に優しさを見せたところで、美杉のためにならないことはわかっていた。
だから、俺は、とことん間抜けでバカな男のふりをするしかなかった。
こんな男、別れて正解だったと美杉が思ってくれるような最低な男を演じるしかなかったのだ。
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