episode5・②

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帰宅すると、妻のミキが起きていた。 「おかえりなさい」 甲斐甲斐しく迎えに出た妻に、「寝ててもよかったのに」と言ったのは、気遣いのつもりだったのに、しかし、妻はむっとしたような顔をした。 「そうしたかったんだけど、大がぐずって起きちゃったの」 ぷいと踵を返すと、妻はキッチンから夜食を作ろうかと訊ねた。 「いや、いいよ。大丈夫」 本当は、お茶漬けでも欲しかったけれど、妻の目の下に浮かんだ灰色の隈を見たら、そんなことは言えなくなった。
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