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_みす…
さすがに胸が痛んで、何か言おうとしたが、でも、電話はすでに切れていた。
美杉が俺をとことん嫌いになればいい。そうして、恨んで忘れてくれればいい。
そう思ったのに、俺は、自分の放った言葉を取り消したいほど悔やんでいた。
大好きだった。愛してもいた。心は美杉に決まりかけていた。
でも、それが、結果に結びつかなければ、一体、何の意味があるのだろう。
その日は、初雪が降った。
あの日の俺は、せめて美杉があの白い冷たい雪に濡れなければいい。そう願う事しかできなかった。
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