episode5・②

27/35
前へ
/35ページ
次へ
「あの!」 数メートル走っただけなのに、俺の息はあがっていた。 「もしかして、美杉?」 別れてから、6年越しにコンビニで再会したときも、俺は今と同じような口ぶりで彼女に声をかけた。 ただし、あの時は本当に偶然だったが、今回は違う。必然的に、彼女を呼び止めたのだ。 俺の声に、美杉は立ち止まると、ゆっくりと振り向いた。本当に、スローモーションみたいにゆっくりと。 その顔は驚きと、ほんの少しの恐怖が混じっていて、俺は、声をかけたことを後悔した。
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

43人が本棚に入れています
本棚に追加