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「あの!」
数メートル走っただけなのに、俺の息はあがっていた。
「もしかして、美杉?」
別れてから、6年越しにコンビニで再会したときも、俺は今と同じような口ぶりで彼女に声をかけた。
ただし、あの時は本当に偶然だったが、今回は違う。必然的に、彼女を呼び止めたのだ。
俺の声に、美杉は立ち止まると、ゆっくりと振り向いた。本当に、スローモーションみたいにゆっくりと。
その顔は驚きと、ほんの少しの恐怖が混じっていて、俺は、声をかけたことを後悔した。
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