episode5・②

31/35
前へ
/35ページ
次へ
ぽつぽつと、空からこぼれる雫が、俺の背中を押してくれたような気がした。俺は思い切って口を開いた。 「良かったら、送ってくよ」 「え、でも…」 困ったように俯く美杉の顔には、戸惑いの色が濃く浮かんでいた。俺はどきどきしながら、彼女の返事を待った。 ここで、いらないと言われれば、それまでだ。 しかし、彼女は、ゆっくりと頷いた。 「じゃあ、お願いしようかな」
/35ページ

最初のコメントを投稿しよう!

43人が本棚に入れています
本棚に追加