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「ねぇ?聞いてるの?」
妻の苛立った声に、はっとして画面から視線を外すと、なぜか、彼女は不機嫌そうにしていた。
「ごめん。何だって?」
「もういい」
「そう?」
いいと言うので、再びテレビに見入ると、「あのねぇ」と、妻は再び口を開いた。
「私が何の話をしていたか気にならないわけ?」
「だって、もういいって言うから」
信じられないというように、妻はかぶりを振った。
「普通さ、もういいって言われても、話を聞きだそうとするものじゃない?」
そういうものなのか。
でも、だったら、そんな回りくどい事をしないで、話せばいいのに。
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