はじまり

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夏休み中の学校とはいえ私服で行くのは 気が引けた為、一応制服に着替え 洗面所に向かった。 眠気覚ましに冷たい水で顔を洗う。 そして鏡に映る不安げな自分の顔を見た。 僕の名前は、水樹 優(みずき ゆう)。 市内の某高校普通化に通う高校二年生。 我ながら特徴のある顔ではないが、 どちらかと言えば童顔で年齢よりも 若くみられるのがたまに傷だ。 性格的には面倒臭がりで部活は美術部 と言う名の帰宅部だし、これと言って 得意なものもない。 ーーーーわけでもないか。 というのも僕は幼い頃から他の人には見えないもの つまり、霊的なものが見えるし、 その存在を感じることができた。 そのお陰で純粋無垢だった少年時代は 黒い人影や、物陰に潜む影を見つけては 周囲の人間に報告した為に虚言癖のある 可哀想な子供と思われていただろう。
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