はじまり

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「学校にいってきますよっと。」 両親は共働きのなので返事が返ってくる わけではないが出掛けるのが億劫な自分に言い聞かせる為に言葉にだしてみた。 時刻は昼の12時。 玄関を開けると、途端にムワッと熱風が 身体を包み込む。 前言撤回してエアコンで冷えた部屋に 戻りたい気持ちを気合いで押さえ込み 玄関に鍵を掛けた。 自宅から学校までは自転車で15分程の 道程だ。そこまで遠くはないけれど 真夏の昼時に行くのはなかなか骨の 折れる作業となる。 「アイツにアイスでも奢ってもらおう と思ってたけど、昼飯も追加だな。」 『ギュルル~』 食べ物ことを考えた途端にお腹の虫が鳴いたが、 『ミーーーン、ミン、ミン・・・』 すぐに蝉達の声に掻き消された。
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