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「んっ...!」 蹂躙する舌と、服を捲り上げる女っぽい細い手。 こんなキノコみたいな男を拒絶することなんて簡単な筈なのに。 薄い胸板に手を添えて力を込めたが、裕太の身体は何故かビクともしなかった。 唇がゆっくりと離れ、熱っぽい瞳が俺を射抜く。 全身に血が回ったせいか身体が熱くなるのを感じた俺は不意に視線を下げてしまい、唇を噛んだ。 「...こっち向いて」 見るわけねーだろ。 「...んで、こんなことすんの」 自分でも驚く程か細い声が出た。 色っぽく溜息を吐いた彼は、もう一度俺の唇を塞ぐ。 「っ、あ...ふ」 腹筋を撫でられ、胸をなぞられ。 おまけに鎖骨には爪を立てられた。 下唇を吸ったかと思うと、今度は首筋へと唇をずらして愛撫していく。 「やっ...裕太っ!」 「は、何名前呼んでんの。興奮するでしょうが...」 しまった、と思った時には遅かったらしい。 この時、不意をついて出た彼の名前に俺も、そして彼自身も驚いていた。 ちゅっ、と微かなリップ音を鳴らして熱い舌で首筋を舐め上げる。 ゾクゾクと感じたことのない様な感覚が沸き起こり身震いをした俺の下半身は、言うまでもなく完全に勃っていたわけだ。 死にたい。 鎖骨に吸い付き、歯を立てる裕太は細い切れ長の瞳で此方を見やる。 どうやら、俺の反応を見て楽しんでいるらしかった。 身体をビクビクと跳ねさせる度、口元を微かに吊り上げてねちっこい愛撫を続ける。 絶対にこいつ性格悪いだろ...。 「...さっき」 「えっ...?」 男だという事も忘れ、彼の愛撫に酔いしれていると急に口を開き出した。 「...なんでこんなことするか聞いたよね」 両手を一纏めに拘束し、胸板に口づけを落とす彼が低い声で、囁く様に口にする。 「...僕は君に触りたいと思った。ハグも、キスもセックスも、咲夜としたいと思ったんだ」 は...? 開いた口が塞がらない。 彼女がいなくなってから、そう思う様になったのだろうか。 そうだとしても、俺じゃなくていい筈だろ?
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