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え。 「......早く脱げよ」 脱ぐわけねーだろ! 今から君は女の子だ、突っ込ませろって言われてる様なもんだぞ。 ノンケで生きてきた俺にはハードルが高すぎるんじゃねーの、これ。 げんなりした表情をチラつかせていると、裕太が突然唇を合わせてきた。 また、舌が出入りする様な濃厚なキス。 今度はリードするかの如く、優しく服を脱がせ背中に腕を回された。 背骨をなぞるように、ゆっくりと指を滑らせ時々爪を立てる。 身体をビクリと反応させると、彼は薄く笑った。 「...キスだけでこんな蕩けた顔して...エロいね」 「う、うるせー」 正直な話、気持ちよ過ぎて抵抗出来ない。 裕太の細い身体に、おずおずと指を這わせると案外驚いた表情を見せた彼だったが、即座に首へ噛み付かれた。 「いっ...て!なんで噛むの!」 「...噛み癖」 犬か御前は。 「本当に食っちゃいそう」 熱を帯びた瞳で俺を真っ直ぐ見詰めた彼は、指に口付けを落とす。 そんなことをされただけなのに、俺の馬鹿な下半身は見事に反応した。 「咲夜...」 垂れ流しにしていたグロいホラー映画もエンドロールを迎えた。 黒い背景に、白い文字で人の名前がビッシリと敷き詰められているそんな場面で。 「好きだ」 低く、俺の目を見ながら口にした。 顔が、身体が...酷く熱いーーー。 まるで自分の身体じゃないみたいに、引き寄せられる。 裕太の頬に両手を添えて、俺はそっと唇を合わせたんだ。 「...おはよ」 薄っぺらい身体を、柔らかな布団から起こして微かに笑って見せる裕太。 あれ、何してたんだっけ。 頭痛がして、頭を抑えた俺も身体を起こし......。 「あー...キスマーク付けすぎたな。しかも噛み跡もある...可哀想に」 「いや、可哀想って!御前がやったんだよな!?どーしてくれんだよ、万が一誰かに見られたら...」 「見た奴をコロス」 「違う!」 非常に疲れる。
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