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何だ、この有り余る性欲は。
普段はこんな肉食獣みたいな顔してないのに...。
残念な人間だな、と思いながらもトイレという場所であるため抵抗を試みる。
「誰か人が入って来たら、どうすんだよ...!」
何故か自分の声が小さくなってしまったが、それには気にも留めず座れば折れてしまいそうな細い太ももに強制的に座らせられた。
項に口付けを落としながら、歯を立てられると背筋から一気に鳥肌が立つ。
「あっ...!」
大きな声を出してしまった俺を、彼は背後で薄く笑い掌でキツく口を覆った。
鼻から漏れる息に、甘い声が重なり裕太のヤる気を更にUPさせてしまったらしい。
直様ベルトまで引き抜かれてしまうしまつだ。
「んっ、んぅ...!」
「しー...静かに」
耳に直接吹き込む様に囁かれた。
呼吸をするのも忘れて、次にされることをビクビクしながら待ち構える。
「...でさー、マジでビビってたんだって!兄ちゃん、本当女運ねーんだよ」
人だ。
人が、入ってきたーーー。
「そんな女いるんだな...!俺も気をつけなきゃ」
「御前はモテないから心配すんなよ」
ガリッ
「っ...!」
変な音がした。
耳の近くで、何かを噛む様な音が聞こえたことで俺は途端に抵抗を始める。
胸や腹を這う手を掴み、口を塞ぐ手をも掴む。
力を込めて一気に引き剥がそうとしたが、その瞬間耳の中に舌を捻じ込まれて全身の力が抜けた。
情けない。
ふにゃふにゃになった身体を優しく抱き締め、今度は首へ歯を立てられる。
「あっ...は、ぁ」
口から溢れた吐息を隠す余裕など何処にもなかった。
「あ...?何だよ、今の」
「こんなとこでヤる馬鹿な奴とかいんのか?」
男達の声が、ぼーっとした頭に流れ込む。
「......見せたい。知らせてやりたい...咲夜が俺のモノだってこと。見せ付けていい?」
いいわけねーだろ、コロスぞ。
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