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コンコン 「誰ですかー?上から携帯で盗撮しますよー」 「やめろって!」 笑いながら、そんな馬鹿げたやり取りをする男達に怯えていると裕太が背後で舌打ちをした。 「おい、俺達も仲間に入れろよ。三人で責めた方が楽しいぜ?どうせこんなトイレでヤってんだから、セフレかなんかだろうしな」 ま、まわされるぅううう。 完全に怯えきった俺に、彼は着ていたジャケットを羽織らせる。 「無視ー?本当に盗撮するよー?」 ポキポキ、と指や首を鳴らした裕太がトイレのドアを一気に蹴り上げると金具は無残にも取れ、ドアの向こうにいた男二人がドアと共に吹っ飛んだ。 余りにも突然の出来事で開いた口が塞がらない。 「......さっきまでペラペラ喋ってた奴、どっち?」 ギラリと瞳を光らせ、男の胸倉を掴んだ裕太は怒りを露わにした声音で口にする。 「おい...どっちか聞いてんだ」 「ってぇ...そんな細い身体で何が出来んだよ。女かてめーは」 頭を打ったらしい男が、ニヤニヤと嫌な笑いを浮かべながら侮辱した。 もう一方の男は、完全に腰を抜かしている。 「そもそも御前、深瀬とヤってたのか。趣味わりーしホモかよ、気持ちわりいな」 「ふっ......はははは」 え、なにこいつ。 なんで笑ってんの。 てか、こんなに笑うの!? 「死ね」 力強く握った拳で、相手の頬をグーパンチ。 みしっ、と鈍い音が響き痛々しくて眉を顰めた。 絶叫を溢しながらその場に崩れ落ちる男に、彼は一言吐き捨てたのだ。 「女にもモテないくせして口が随分と達者なんだね。今度、咲夜のこと言ったら本当に殺すよ?」 「裕太...もういいから!!」 やっと声を掛けることが出来た。 裕太の腕を引っ張って外へ出ようとする。 が 「お、御前等のこと、ホモだって言いふらしてやるよ!」 背筋にひんやりとした汗をかいた。 一瞬にして頭の中が真っ白になって、思わずしゃがみそうになる。 「ああ、よろしくね。俺の咲夜に近付く悪い虫が減る、助かるよ」
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