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「...はよ」 「あ、おはよ!てか御前...マジで骨しかねーな!」 「部活めんどい、筋トレめんどい...」 頭上にあった携帯に手を伸ばし時間を確認する彼が、大きな欠伸を一発。 頭を掻き、眉を顰めながら携帯を弄る姿はそこら辺に転がっていそうな男子そのものだ。 「ゆーた」 「ん...?」 「いや、やっぱなんでもねーわ」 寝癖でもさもさした髪の毛を揺らしながら、此方に顔を近付けて額にキスを落とす。 「なに?気になる...」 「...あのさ、御前の首に...キスマーク付けちゃったみたい」 身体を起こし、暖房を入れた彼が鏡の前まで歩み寄ると首を見て嬉しそうに笑った。 「首へのキスは執着を意味する...嬉しいよ。でも今日からは二人でワイシャツ生活だね」 ワイシャツ生活...? 自分もベッドから起き上がり、鏡の前まで歩み寄ると愕然とした。 「な、な...なんだこの量は!」 前より明らかに多くなってるぅううう。 こいつ俺に執着し過ぎだろ! 首、胸、腰、太もも...尋常じゃない。 「...首は執着、胸は所有、腰は束縛、太ももは支配...見事そこばかりに付けてしまったね」 「知らん!つーか、今日もワイシャツか...」 「じゃあ俺はタートルネックにしよう」 二人でワイシャツ生活って言った側から貴様、タートルに浮気をすると言うのか戯けが。 ガブッ 「いたっ!これ以上痕増やすなよ...!しかも御前キス魔だし噛み癖あるしどうにかしろ!!」 「...キスすんの気持ちいいし、咲夜美味しいんだもん」 「美味しい...!?」 美味しいってなんだ。 噛まれた場所には、くっきりと歯型が付き、それを愛おしそうに見詰めた彼は赤い舌で舐めて見せた。 ヤバい、ちょっとだけ...興奮する。 「あっ...ん」 「...朝からエロいな。本当......美味そう」 鏡越しに見詰められ、耳に舌を這わせられると途端に力が抜けていく。 崩れ落ちそうになる身体を背後から優しく抱き締め、項に口付けを落とした彼は棚の上から小さな箱を取り上げた。 「ん...これ、あげる」
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