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「何これ!」 「ピアス。前、齧って壊しちゃったから」 あ、そう言えばトイレで変な音がしたな...それか。 箱を手に取りワクワクしながら開けると、イヤーカフが入っていた。 めっちゃお洒落。 流石、センスがいい男は違う。 「これ...貰っていいの?」 「ん...もちろん。その代わり、俺に咲夜を頂戴?」 思わずイヤーカフを返しそうになったわ。 だけど、そんなことしたら勿体無いもんね。 早速イヤーカフをはめて見せたら、笑いながら似合うと口にして耳朶へキスを落としてくれた。 なんか...幸せ、かも。 その後は各自部屋でシャワーを浴びて、朝食を摂ると二人して首が隠れる服を着た。 当然大和はポカン、としていたし周りの女子も珍しい物でもみるかの様な目をしていたが気にしない。 だって、二人でワイシャツ生活だもん! ..........あれ。 「...ん?どうした?」 まてまてまて。 何、今の俺。キモッ!! 二人でワイシャツ生活だもんっVvて、気持ち悪っ。 「あ、深瀬!おはよう」 「おはようございます!姫神てんてー!あれ、その荷物...」 大きな荷物を持った姫神先生は、困った様に眉を下げて苦笑する。 「今日出発なんだ。あーあ、これで深瀬の顔を見るのも最後か」 「えっ...」 荷物を床に降ろし、俺の目の前まで歩み寄った彼は頭をよしよししてくれた。 今日だけは、そんな姿を見ても裕太は怒らなかった。 「やーだー!」 「私も君と離れたくないなぁ...。君と会えた日はテンションも上がったし...そうだ、一緒に外国へ来ないか?」 「ファ!?」 冗談、ではなさそうな姫神先生の真剣な目。 どうだい?と念を押されるように肩をポンと叩かれると、隣にいた裕太がムスッとしながら答えた。 「外国なんて、行きませんよ。前から思ってたんですが...咲夜のこと好きなんですか?」 こ、この男はなんてことを...!! でも気になっちゃう! 姫神てんてー、俺のこと好きなのかな!? 「そうだな、最後だし。私は深瀬が好きだよ...」
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