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「えっ...」 好きって、一体どういう好き? れれれ恋愛感情? そんな...。 でも男とヤっちゃった後だからかな、最早自暴自棄になって姫神教授に抱き着きたいくらい。 そんな紳士的な優しいお顔で甘い言葉を囁かれるのなら、ちょっとだけ海外へ飛ぶのもありかも...なんて。 壁に凭れ掛かった裕太が、目を細める。 そんな中、姫神先生は俺の頬をわしっと掴んだ。 「昔...大好きな子がいたんだ。でも死んじゃってね...ずっと友達だと思ってたし、ずっと一緒だと思ってた。けれど、その考えを簡単にブチ壊して...幼かった私に命の尊さを教えてくれた」 綺麗な目。 澄んだ、ガラス玉みたいな濁り一つない美しい目。 視界に入れられるだけでおかしくなりそう。 「アレックス...」 ん? 「深瀬...君は、私が昔飼っていたゴールデンレトリバーのアレックスそっくりだ!」 まてまてまてまて。 いつも愛玩動物でも見る様な目をしているとは思っていたが、まさか本当に愛玩動物と重ねていたなんて誰が予想できた? 誰も出来るわけねーだろ! 壁に凭れ掛かっていた裕太も、流石にその時だけは背中を見せて震えていた。 きっと笑っているのだろう。 こいつのこんな姿も見れるんだ、へー。 「アレ...深瀬、どうだい?一緒に」 今アレックスって言おうとしたよね!? 「姫神せんせぇ......俺と犬を一緒にすんのかよ」 「ふふ、だって似てるんだもん。大きかったし、髪の毛の色も...人懐っこい所も」 嬉しくない!! 「ダメですよ...咲夜はやりませんから」 先程まで隠れて笑っていた裕太が、背後から首に腕を回しグッと引き寄せる。 安易に彼の腕の中な俺を見て、姫神先生はさぞ満足そうに笑った。 「いいねぇ...凄くお似合いだよ。お幸せにね。じゃあ私はもう行くから二人とも元気で」 荷物を持ち直した姫神先生は歩みを進めたかと思うと、立ち止まり思い出した様に呟く。 「そうそう...深瀬。世の中にはどうしても欲しい物を手にいれなきゃ済まない人間がいるってことを覚えておきなさい。但し、真実を知っても決して怒らないことだ。じゃあね」
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