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「...怒る?」 服を捲り上げ、背中に口付けを落とされた。 ちゅ、ちゅ、と細かなリップ音を立てながら、時にはキツく吸われ舐められる。 「怒んない...」 「どーして...?」 ああ、ウザい。 本当に性格悪いし...。 ねぇ、ねぇ、と俺の上をゴロゴロ転がり始めた男をガシッと掴み、濡れた柔らかな唇にキスをする。 「...好き、になっちゃったから。ほ、ほんっとーに責任とれよ!?」 「あー...もう、可愛い」 その細い腕で、身体で力強く抱き締められた俺は、女と化していたのであろう。 思考がまっピンクで、世界がキラキラふわふわしてる。 前の彼女とはまた別で...愛されるのってこんな感じなんだなって乙女みたいに感じていたんだ。 「あ、そだ。裕太...御前甘いの大丈夫だっけ?」 「ん」 こんなの、渡したら変かな。 女の子ばっかりで恥ずかしくて買えなかったから、作ったなんて...って俺キモ! 本当にキモい!どうしよう! 渡さないで処分した方が良さそうだ。 「なに...何かくれんの?」 「いや!やっぱなんでもない!」 「ね...もしかしてさ、チョコ?」 ドキリとした。 目を細めて笑った彼が、耳に唇を寄せる。 「...嬉しい」 「う、嬉しい...?男の俺から貰っても気持ち悪くない...?」 「どうして。踊りたい位嬉しいよ」 いや、いくらなんでも御前は踊らないだろ。 とマジレスをしながら、冷蔵庫から包装した箱を取り出す。 「手作り?」 「うん、一応...。姉ちゃんに習ったんだけど不味いかもしんねー」 「...どうしよう、嬉し過ぎる」 照れてる? あの鉄仮面野郎が、無気力と脱力を足した様な奴が...照れてるだと。 コンコン 「はーい、どちら様ですかー」 声を掛けると、そこにはまさかの人物が立っていた。 「やあ、久し振りだね、深瀬...と峯」
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