1599人が本棚に入れています
本棚に追加
/319ページ
「...俺に惚れさせてやる!」
彼がそんな事を言ってから、早一ヶ月。
蒸し暑い日々が続き、何もしていないのに体力だけが奪われていく。
だが、今日も俺は元気です。
大和をからかって遊ぶだけで力が湧いてくるよ。
「ね、大和」
「あ?なんだよ、気安く触んな」
......どうしてこうなってしまったのだろうか。
あれからと言うもの、どうやら雨宮と京介に変な事を吹き込まれたらしい大和は、変な方向に男らしくなってしまった。
いや、男らしくはねぇか...。
家に夕食を食べに来た英成も、流石にビビってた。
「なぁ...それ、いつまで続けるつもりだよ」
「教授を犯すまで!」
「だったら早く犯せ」
恥ずかし気もなく口にした俺を凝視した大和は、俯いて耳を真っ赤にした。
御前が恥ずかしがってどうすんだよ...と笑みを溢しそうになると睨んでくるから、安易には笑えない。
「...夏休みだし、島でも行くか」
「島!?」
目をキラキラさせた彼は、思い出したかの様に俯く。
見てて忙しい。
「...海は綺麗だし、別荘は広いから楽しめると思うよ」
「どんだけ金持ってんだよ...」
ボソリと呟く大和が早速大きなバッグを取り出す。
「...行きたい?」
「行く。あ、でも仕事は...」
「終わらせておいたから安心していいよ。なんだ、心配してくれたのか?」
見る見る赤くなる顔が面白い。
頭が吹っ飛ぶんじゃ無いかと思う位左右に振って「心配してない!」なんてムキに言うから、余計意地悪したくなる。
ほんと、可愛いな。
ーーーーーーー
ーーーーーーーーー
「何故御前等までいるんだ」
「いやぁ!だってバカンスだよ?俺と雅樹にも、息抜きは必要なんだー」
大きな荷物を持った京介と雨宮。
その上
「利孝、ギター持って」
峯裕太と深瀬咲夜
いらないオマケがわんさか着いてきた訳だ。
京介は山に行きたいのだとばかり思っていたから島にしたのに、どっちみち着いて来てんじゃねぇか。
「おい、裕太!何で佐伯教授様のこと呼び捨てにしてんだよ!チョーク鼻に詰められるぞ!」
最初のコメントを投稿しよう!