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「年々しんどくなるわねぇ」
「歳には勝てませんね、お互いに」
やっと追い付いついてきたママと冴子さんが、顔を見合わせ、またいつもの歳の話をしている。
あの二人、なんだか最近似てきたみたい。
会うたびに同じこと話してる。
でも、ちっとも嫌がっていない。むしろ楽しんでるみたいで可笑しい。
それはきっと、これからを生きる新しい命を傍で感じているからかもしれない。
「さ、じぃじにご挨拶するわよ」
ママがハキハキと号令をかけた。
若くして亡くなったパパも、娘の前ではじぃじと呼ばれても仕方がない。
号令に従い優尽がママの隣でパパの墓前に両手を合わせた。
娘はソレを見て、彼女なりにかしこまって小さな手を合わせている。
冴子さんはその様子を目を細めて見やり、遠慮がちに手を合わせた。
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