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とはいうものの、私はどぎまぎしてしまい、いいえ、どういたしまして、と答えるのがやっとだった。
彼は私の前に腰掛けるなり、
「お腹、空いてません? 」
確かにそういう時間帯ではあったので、私も、
「空いてるけど…」
「僕、このナポリタンのセットが気になんですよね。」
などと、小さなメニュー表を見ながら言う彼が何とも可愛らしく、私は思わず笑ってしまった。
「いいえ…」
可愛い、は言えば気まずくなる気がしてやめた。
「じゃあ私もナポリタンにするわ。」
ほんわかした雰囲気にしてくれて良かった…
私は彼とナポリタンに感謝したい気持ちだった。
それにしても…向かい合うと照れてしまう。
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