第1章

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「こういうところのナポリタンの方がおいしいと思うんだけどなあ。」  運ばれてきたナポリタンにフォークを入れながらつぶやく彼も、ちょっとオジサンぽくて可愛い。  と同時に、彼にもあたたかな家庭があるのだろうと思い…でも、もしかして「お母さんの味」だけじゃない? 私は真っ青になり、あわてて尋ねた。 「オミ君、まさか結婚はしてないよね? 」 「なぜ今そんなこと訊くの? 」 と返して彼がむせたので少し安心…? でも…と思ったところで、彼は、 「大丈夫だよ。誰かさんと違って。」 と言うその様子は本当っぽくて…少し安心。 もし嘘でも、私は知らなかったということで…でも、本当に彼は未婚のように見えた。
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