14、ラストナイト――つづき

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 愛夢は眉を潜めた。 「だ~か~らぁ、ムカつくからだって言ってるでしょっ。浮気するヤツはみんなキモイの! 死んじゃえばいいんだって」 「……父親が、目の前で他の女とやってたら嫌でしょ?」  ふいに、愛夢の顔色が変わった。それまでだらしなく開いていた口は閉じられ、大きな瞳は憎しみをぶつける相手を映し出した。 「絵奈、何言い出すの?」 「いいじゃん、話したって。どうせ死ぬヤツだし。それに、仮にも私の初恋のヒトだよ」  愛夢はふらふらと歩いて絵奈に近づいた。絵奈の唇に人差し指を当て、「やっぱり嫌なの?」と訊いた。
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