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ナイフの先は震えている。
愛夢は大きな口を開けて笑った。
「あはははははっ、やっぱり自分が一番可愛いんだろ!? だから浮気とかすんだよな。卑怯なんだよ、お前らは。せめて命で償えや」
「……それで、お前は何に満足するんだ」
低い声で凪人が訊ねた。
愛夢は答えない。
徐々に大きくなっていくサイレンの音。
「カイチ、愛夢を連れてって」
「絵奈?」
「愛夢を助けて」
「邪魔すんな!!」
愛夢は凪人の手を離し、絵奈の襟首を掴んだ。
「どうせてめぇだろ? チクったの。わかってんだよ、なぁ」
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