14、ラストナイト――つづき

5/22
前へ
/33ページ
次へ
 ナイフの先は震えている。  愛夢は大きな口を開けて笑った。 「あはははははっ、やっぱり自分が一番可愛いんだろ!? だから浮気とかすんだよな。卑怯なんだよ、お前らは。せめて命で償えや」 「……それで、お前は何に満足するんだ」  低い声で凪人が訊ねた。  愛夢は答えない。  徐々に大きくなっていくサイレンの音。 「カイチ、愛夢を連れてって」 「絵奈?」 「愛夢を助けて」 「邪魔すんな!!」  愛夢は凪人の手を離し、絵奈の襟首を掴んだ。 「どうせてめぇだろ? チクったの。わかってんだよ、なぁ」
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

47人が本棚に入れています
本棚に追加