14、ラストナイト――つづき

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 絵奈は冷めた目で愛夢を見下ろしている。通報したことを疑われても、反論しないでいる。  カイチは愛夢の腕を掴み、「そろそろマジでやべぇよ」と言った。  愛夢は悔しそうに舌打ちをすると、絵奈から手を離した。床に落としていたスマートフォンを取ると、リビングにぶら下がったタオルを使って丁寧に指紋を拭き取った。  冷蔵庫の扉を開け、謙介の首の隣にスマートフォンを置く。 「これは、もともとパパのだからね」  愛夢は凪人とナツメを睨みつけると、部屋から出て行こうと歩き出した。  ナツメは愛夢の背中に向かって小さく呟いた。 「……ごめんなさい」  愛夢の小さな背中に、一吹を、謙介の妻を、そして謙介を見た気がした。自分の弱さが招いた悲劇を、まだ10代の少女が背負っている。  愛夢はナツメを見ないで言った。 「あの女も、そんなこと言ってた。……でも」
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