第二話 とんでもない思いつき

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手を振って駆け出すが、再び借金のことがハルの頭を悩ませ始め、パン屋の主人の店が見えなくなったところで、走るのを止め、とぼとぼと歩き始める。 (はあ……、一八〇ビベルか……。そんな大金の充てなんて一体どこに……) ぼんやりとレンガ造りの壁に貼られたポスターに目をやり、はあと溜め息をつく。 「参加者募集……か」 そう言って一旦そこから立ち去ったが、物凄い勢いで反転してまたもやポスターに釘付けになる。 「優勝賞金二〇〇ビベル!?」  ベリっと壁からポスターを引っぺがし、ハルは目をきらきらと輝かせる。  「これだ!!!!!」
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