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「なんだい、なんだい、こりゃ一体どうしたってんだ??」
あたふたとパン屋の主人は壊されたドアとハルを交互に見ている。
そんな様子もお構いなしに、この小柄な男は酷いがに股でふんぞり返って足を進み入れる。
その背後から、三人の黒ずくめの大男達が次々に修理工場の元ドアのあった場所から中を伺うように一人、また一人と足を踏み入れてくるのだった。
「お~~い、じいさん、どこに隠れやがった~~??」
ハルは、むっとして男に投げかける。
「あなた達、一体何なんですか!?」
「ああん!?」
ようやくハルの存在に気が付いたその男は、顔面をこれ以上にない位歪ませて、十三歳にしてはあまりに小柄なハルを、頭から足の先までじっと見下ろした。
「なんだお前。おい、チビ、じいさんはどうした」
「チビじゃありません! ぼくは孫のハルです。要件は何ですか? ぼくが伺います」
嵌めていた黒く油で汚れたゴム手袋を脱ぎながら、ハルは丸椅子から立ち上がった。
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