0人が本棚に入れています
本棚に追加
「…クラっ…サ…クラっ!
おいって、起きろよ夜桜…。」
遠くの方で矢崎さんの声が聞こえる。
でも、もう少しだけ…。
もう少しだけお母さんの顔見てたいの。
きっと当分夢でさえ会えないもん。
「ったく、客の席で爆睡って
コイツはアホなのか。
まー、そこが可愛いんだけど。」
「もぉ~こんなに酔わせたの
矢崎さんでしょ!」
雛乃の声がすぐ横で聞こえた。
「ほら、夜桜っ!
起きないと店長に怒られるよ~?!」
あぁ。
やっぱり夢でさえも会えないんだ。
「んあぁっ。
ねっんむいぃぃ~ふぁぁぁっ。」
あたしの太客の矢崎 聡 ( ヤザキ サトシ ) は、
かれこれ、1年間の間3日に1回は
必ずあたしに会いに来る変わり者。
「お前、何か今日顔色わりーな。」
「ほんとだぁ~!
夜桜顔、真っ青だよ?!」
「何でもないよ大丈夫。」
誰かに話せるはず何てない。
勝手に家を飛び出して
今更誰かに慰めて欲しい
何て虫が良すぎる。
最初のコメントを投稿しよう!