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「ところで、そのがんぞうどうしたの?」
「由比さんが、どさくさに紛れてとってきてくれた!さすが!由比さん!!」
鼓子は無表情のまま、外で馬の手入れをしている、由比の元へ歩いて行った。
「とったって、盗ったんじゃないですよね?」
「は?」
「がんぞうです!」
「ああ、夢摘さんがどうしても、あれがないと私の国に行かないというので、こっそり今朝とってきました~苦労したんですよ!」
爽やかに笑う由比の両手を握った。
「え?鼓子さん、こんなところで愛の告白ですか?困ったな……身内とは恋愛はしない主義なんですけど」
鼓子は、通りかかった蜂文に声を掛けた。
「蜂文さん!がんぞう窃盗容疑で、拘束して下さい。それから、夢摘さん甘やかし過ぎ罪もあります」
「はいはい」
蜂文は慣れた手つきで、由比の両腕に縄をかける。
そこへ、ミハイルが、龍の冒険のレア妖怪、はがねすらむんのあっぷりけが付いた前掛け姿で走ってきた。
「皆さ~ん!お昼ご飯ですよ~今日は、特製前鬼・おむらいすです~」
手にした皿には緑色の物体が乗っかっている。
鼓子はミハイルを睨みつけて、
「蜂文さん、もう一人、危険な食品添加物混入の容疑者発見しました」
「はいはい」
「何ですか?何で私と由比殿が拘束されるんですか?」
木に括りつけられる二人を鼓子は満足そうに見つめた。
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