3人が本棚に入れています
本棚に追加
/15ページ
日が落ちて、羅魏は行きつけの賭場に夢摘と乗り込んで行った。
夢摘は珍しく、めがねも外して今夜は普通の浴衣を着ている。銀髪以外はその辺の娘と変わらない。
同じくここの常連から声を掛けられた。
「嫁でも貰ったか!羅魏さん。銀髪、おかっぱとは、萌え要素炸裂ですな」
「あほな事言うな~!わしは、もっと大人な魅力の方がいい。夢摘さんはまだ、育ちが足りん!いくつなんだっけ?夢摘さん?あれ?」
いましがた隣にいた夢摘がいない……
「丁!」
奥の部屋から夢摘の声が聞こえてきた。今日の売上金を入れた巾着を中盆に渡す。
「はい丁半揃いました~お嬢ちゃん!粋だね~」
「当たったら、がんぞう最新もびるすーつと羅魏さんの刀貰うと!」
「!!!!!!!!!ちょっと、待った~!!」
羅魏が、慌てて夢摘の元に走るが、壷振りはサイコロを二つ籠に入れて伏せた。
「…………サンゾロの丁!お嬢ちゃん運がいいね~」
「わ~い!がんぞう下さい!それと刀!」
「うーん。どちらか一つなら、交換できるけど二つは無理だな………もう一度、賭けるかい?」
考え込む夢摘の横で、羅魏は中盆に言った。
「がんぞうくれ!」
「羅魏さん……でも、刀ないとおばあちゃんに怒られっが?もう一回やります!」
「わしの事はいいから………」
ふいに夢摘は、羅魏にびんたした!
「神風は吹く!武士の子よ!」
「えるさ女王!!」
*補足*「えるさ女王」
多国籍軍の王家の出でありながら、じぱんく防衛軍との戦を回避しようと中立の立場に立ち、国を追われた。がんぞうのかりすま的美女。
「全部!丁に賭けます!」
さいころはピンゾロの丁!
しかし、まだ刀には足りない…………
中盆がごくりと唾を飲んで夢摘に問う
「全部半に賭けます」
いつの間にか二人の後ろに見物人の山が出来ていた。
さいころは…………壷振りがゆっくり籠をあげた
最初のコメントを投稿しよう!