男冥利に尽きるもの~檜井羅魏~

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 日が落ちて、羅魏は行きつけの賭場に夢摘と乗り込んで行った。    夢摘は珍しく、めがねも外して今夜は普通の浴衣を着ている。銀髪以外はその辺の娘と変わらない。    同じくここの常連から声を掛けられた。 「嫁でも貰ったか!羅魏さん。銀髪、おかっぱとは、萌え要素炸裂ですな」 「あほな事言うな~!わしは、もっと大人な魅力の方がいい。夢摘さんはまだ、育ちが足りん!いくつなんだっけ?夢摘さん?あれ?」  いましがた隣にいた夢摘がいない…… 「丁!」  奥の部屋から夢摘の声が聞こえてきた。今日の売上金を入れた巾着を中盆に渡す。 「はい丁半揃いました~お嬢ちゃん!粋だね~」 「当たったら、がんぞう最新もびるすーつと羅魏さんの刀貰うと!」 「!!!!!!!!!ちょっと、待った~!!」  羅魏が、慌てて夢摘の元に走るが、壷振りはサイコロを二つ籠に入れて伏せた。 「…………サンゾロの丁!お嬢ちゃん運がいいね~」 「わ~い!がんぞう下さい!それと刀!」 「うーん。どちらか一つなら、交換できるけど二つは無理だな………もう一度、賭けるかい?」  考え込む夢摘の横で、羅魏は中盆に言った。 「がんぞうくれ!」 「羅魏さん……でも、刀ないとおばあちゃんに怒られっが?もう一回やります!」 「わしの事はいいから………」  ふいに夢摘は、羅魏にびんたした! 「神風は吹く!武士の子よ!」 「えるさ女王!!」 *補足*「えるさ女王」 多国籍軍の王家の出でありながら、じぱんく防衛軍との戦を回避しようと中立の立場に立ち、国を追われた。がんぞうのかりすま的美女。 「全部!丁に賭けます!」  さいころはピンゾロの丁!  しかし、まだ刀には足りない…………  中盆がごくりと唾を飲んで夢摘に問う 「全部半に賭けます」  いつの間にか二人の後ろに見物人の山が出来ていた。  さいころは…………壷振りがゆっくり籠をあげた
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