0人が本棚に入れています
本棚に追加
「ふぅーん?
ならいいけどなー。
なーに、背中向けてんだよ。
まだ拗ねてんのかぁ?」
首筋から肩甲骨に滑り降りる唇が
熱を帯びててあたしは身震いする。
触れられる度にあたしの体は
矢崎さんを欲して可笑しくなる。
何だかそれが凄くくすぐったくて
恥ずかしくて余計にあたしの肌は
火照りが酷くなっていってしまうのに。
拒めない。
「すっ…拗ねてないってばっ。
シャワー浴びたいっ!」
「強がりばっか言っても
俺には通用しないの分かってんだろ?
素直に鳴けよ、
俺が欲しいって素直に言えよ…。」
俺は今すぐにでもお前が欲しいけどな?
そんな言葉ずるすぎる。
囁かれる度にあたしは溺れて、溺れて、
彼の腕から出ることが怖くなる。
だから何度でもあたしは
彼を利用してしまう。
何度利用しても
苦しくなって虚しくなって
また彼を欲しての繰り返し。
「夜桜、お前泣いてんの?」
「泣いてっ…なんかないっ…!」
「嘘つき…。
泣きたいだけ泣け。
俺はお前を捨てたりしねーから。」
最初のコメントを投稿しよう!