episode6・①

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昨日、隆也に会った。 三年ぶりに会った彼は、昔と少しも変わらない姿で、声で、まるで魔法みたいに突然あたしの前に表れた。 _もしかして、美杉? 声を掛けられて、あたしの思考はショートした。ばちんと、電球が割れたみたいに。 振り向かなくても、その声の主が誰かはすぐにわかった。 胸がわしづかみにされたようにきゅっと痛み、頬が熱を帯びた。反射的に鼻の奥がつんと痛くなった。
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