34人が本棚に入れています
本棚に追加
_本当に久しぶり。元気だった?
あたしは務めて冷静に答えた。そうすることで、自分自身を守ろうとしたのだ。
取り乱したり、泣き出したりはしたくなかった。
それは、隆也のためというより、自分自身のためだった。そして、あたしの今一番大切な人のためでもあった。
そこから、あたしたちは黙って見つめあった。
見詰め合えば、自然と記憶が巡った。彼と過ごした日々が、光りの速さで駆け抜けていった。
夢のように幸せだった日々と、地獄のように辛かった日々。
最初のコメントを投稿しよう!