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「良かったら、送ってくよ」
隆也は言った。ほとんど反射的に、でも、あらかじめそのつもりだったかのように。
少し迷ったけれど、あたしはその申し出を受け入れた。
隆也が、祈るような顔で、あたしの返事を待っていたから。そんな彼の顔にあたしは弱い。
それで、あたしは隆也の車に乗った。
そういえば、前に再会したときも、こんな風にして始まったのだ。そう思いながら。
でも…。
でも、彼の車からは3年前とは違う香りがした。これが、今の隆也の香りなのだと思った。
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