episode6・②

12/34
前へ
/34ページ
次へ
「ミスギちゃんを泣かせるんじゃないよ」 「当たり前でしょう」 「本当かな?同じ美杉として許さないからね」 あたしがからかうと、夏樹君は携帯画面から顔をあげ、 「実は彼女、本当は美杉って名前じゃないんだけどね」 と、肩をすくめた。 「そうなの?」 「うん。あだ名みたいなものかな?」 「あだ名?」 「まぁ、色々あるの。でも、いいや。美杉さんにはミスギチャンで通っちゃってるし」 「ふぅん、よくわかんないけど。そのうち、彼女連れてきてね」 「そのうち、ね」 夏樹君は言い、また、携帯画面に視線を落とすと、にやにや笑いを浮かべた。
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

72人が本棚に入れています
本棚に追加