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「ミスギちゃんを泣かせるんじゃないよ」
「当たり前でしょう」
「本当かな?同じ美杉として許さないからね」
あたしがからかうと、夏樹君は携帯画面から顔をあげ、
「実は彼女、本当は美杉って名前じゃないんだけどね」
と、肩をすくめた。
「そうなの?」
「うん。あだ名みたいなものかな?」
「あだ名?」
「まぁ、色々あるの。でも、いいや。美杉さんにはミスギチャンで通っちゃってるし」
「ふぅん、よくわかんないけど。そのうち、彼女連れてきてね」
「そのうち、ね」
夏樹君は言い、また、携帯画面に視線を落とすと、にやにや笑いを浮かべた。
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