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「気になるなら、自分から連絡してみたら」
けれどもあたしは、既婚者である詩織と大一さんを引き合わす役目などできるはずもなく、いつもこんな風にかわしている。
「いや、別に」
すると、大一さんも、それ以上は聞いてはこない。
あたしは、大一さんの固く癖の強い髪の毛を切りながら、本当にこれでよいのだろうかと考えることがある。
大一さんが来たと知ると、詩織も彼の様子をあたしに探るからだ。
_あの人、何か言ってた?ほら、まだ外国に行くとか。そろそろ落ち着くとか。
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