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「いけない!急がなくちゃ。お疲れ様でした」
あたしはロッカールームへ駆け込むと、軽くメイクと髪型を直し、それから、この三年間、決してはずすことのなかったネックレスを首から外した。
きらきらと輝いていたチェーンは、くすんでしまった。あたしの誕生石であるエメラルドと彼の誕生石であるダイヤモンドも、もう昔のような輝きは放っていない。
隆也からもらったクリスマスプレゼント。
体の一部と化していたそれが首から外れた途端、あたしは、ちょっとだけ寂しい気持ちになった。
でも、ちょっとだけだ。
あたしはそれをハンカチに包むと、そっとカバンの奥へ押し込んだ。
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