episode6・②
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「お待たせいたしました」 カウンセリングブースで待たせていた女性客が、ヘア雑誌から顔をあげ、あたしを上目遣いに見上げた。 落ち着いて知的で美しいこの人は、新規のお客様。 でも、あたしは彼女のことを知っている。 「どんな風に致しますか?」 「そおね…」 彼女はあらかじめ目をつけていたページをためらいがちに指差した。 それは、いかにも小顔の彼女に似合いそうな、さっぱりとしたショートヘアーだった。
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