episode6・②

4/34
前へ
/34ページ
次へ
「お待たせいたしました」 カウンセリングブースで待たせていた女性客が、ヘア雑誌から顔をあげ、あたしを上目遣いに見上げた。 落ち着いて知的で美しいこの人は、新規のお客様。 でも、あたしは彼女のことを知っている。 「どんな風に致しますか?」 「そおね…」 彼女はあらかじめ目をつけていたページをためらいがちに指差した。 それは、いかにも小顔の彼女に似合いそうな、さっぱりとしたショートヘアーだった。
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

72人が本棚に入れています
本棚に追加