episode6・②

9/34
前へ
/34ページ
次へ
しかし、彼女は気分を悪くされたふうもなく、 「いいの。どうせ、好きになったらいけない相手だったんだし。いつかはこうなることがわかっていたから。けど、なかなか踏ん切りをつけられなくて、ずるずるとね」 まるで、ずっと昔からの知り合いにでも語るような口ぶりで告げた彼女に、 「わかります、そういう気持ち」 あたしは、心からそう言った。 好きになったらいけない相手。 先の見えた恋。 本当に、彼女の気持ちは痛いほどよくわかったから。
/34ページ

最初のコメントを投稿しよう!

72人が本棚に入れています
本棚に追加