猛の第一印象、最悪。

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『何こいつ?』 それが “ 神谷猛 ” の最初の印象だった。 猛は机の上に腰を掛けていた。 入口から一番遠い窓際の机で猛を囲むように男女が数人。仲よさそうに大声で談笑している。 …俺の存在に全く気付いていない。 教室の出入口ドア付近で突っ立ったまま、 俺、“ 織田健一 ” は、 『…チャラチャラしてふざけた奴』 と、1人毒吐いた。 高校生になったばかりの俺と猛。 入学早々猛は浮いていた。 一年生なのに髪は茶髪、制服も一人着崩して着ている。 …ちょっとかっこいいからって(実際はめちゃくちゃきゃーきゃー言われていた)調子に乗った奴が、なんでここに… 囲碁部に来てんだよ! 敵愾心が胸の奥、黒く燻り始める。
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