淡い幻想、吹っ切る為に。

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「……それで? 健は菜摘の事、もう吹っ切れてんの?」 「……吹っ切れてるわよっ!!」 俺はおねぇ言葉で投げやりな台詞を吐き捨て、赤地にMと書かれた入れ物に手を伸ばす。 入れ物ごと持ち上げると、揚げたてのフライドポテトをそのまま口へ流し込んだ。 「……おい。 フライドポテトはそんな食べ方をしない」 と、冷静に智也は俺に言う。 …つっこむところそこ? 「…うるさいわね! どー食べようがあたしの勝手でしょ!!」 口いっぱいにポテトを咥え、俺は反論した。 …てか、そろそろ、 おねぇ言葉つっこんでくれっ!! 「織田汚ねえ。ぼろぼろ落ちてる」 猛は俺の様子を見て呆れながら笑った。 ……誰も、 俺のボケに付き合ってくれない… ああ、もう。泣きそ…
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