終章 くらげとかめ -4-

5/13
前へ
/13ページ
次へ
  いかにもガテン系といった風なツナギの男性の中には、パワータイプ。主婦やサラリーマンらしき人の中にはノーマルタイプ。たぶん、警兵や警兵学徒の中のやつはソルジャータイプだろう。 子供の中には何も見えない。仮想世界から逆転写されただけの存在だから、現実世界の物に触れる事ができなかったのだ。 どうやらこれが、神様の加護とやらの正体らしい。 何だかもう、荒唐無稽すぎる現実に思考がついて行けない。何の前触れもなくこんな世界に放り出されたら、そりゃ錯乱も発狂もするだろう。 こんな世界を前にため息ひとつで済むのはある程度、予め覚悟ができていたからだ。 まぁ、そもそも他人事にあまり興味の無い俺の性格もあるかもしれないけど。 『第二人類の中に機人が見えてまうんは、おそらく自分が仮想空間から切り離されてもうたからや。どうやら機人組織の方でサーバー内の仮想空間に干渉するウィルスが使われとるらしくてな。自分の人格領域も感染しとるんやろ。それでも機人化せぇへんのは、拝装持ちやからや。拝装が実装されとる機体は、機体自体に強力な逆転写装置が搭載されとる。せやけど今はウィルスのせいで、拝装を使うとその逆転写装置の容量が圧迫されてもうて、現実世界に展開されとる化けの皮が剥がれてまうっちゅうわけや』  
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

28人が本棚に入れています
本棚に追加