終章 くらげとかめ -4-

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  何だかもうこの辺は、難しくてよく分からない。 『神童は、俺らの間では第三人類って呼ばれとってな。この街を逆転写する核のようなもんや。仮想空間の人工知能やのうて、俺ら第一人類の身体をそのまま逆転写したもんなんや。実体逆転写っちゅうてな、本体は培養器ん中に別におるねんで。本人は知らんし、本体の方に意識は無いんやけどな。ちなみに拝装も同じ原理なんやけど、ただ拝装と違うて生体の実体逆転写はごっつい容量食うねん。この高台の下はまるまる量子演算機になっとるねんけど、神童二人の逆転写だけで七割近くの容量を持ってかれとるねんで』 本体が別にいるのなら確かに、いくら死んでも生き返りができそうだ。他の部分は全く理解が追い付かないけど。 『まぁ、つまりやな。この街は、神童が生きるために造られた箱庭みたいなもんなんや』 「おい、第一人類」 と、話がだんだんわけがわからなくなってきたから、いったん第一人類の言葉を遮った。  
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