終章 くらげとかめ -4-

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  その日の夕方。 空凪神社の葬殿で、二渡水母の葬儀が執り行われた。第一人類の計らいで、通りすがりの刃物を持った機人に殺された事になったらしい。あながち間違っていないのが何というか、笑えない情報修正だと思った。 天涯孤独な高校生の葬儀は、浅葱が志願して斎主を務めた。当然遺族は誰一人としていなかったけど、予想外というか案の定というか、空凪高校の生徒が三十人近くも参列した。 クラスや剣道部の面々はもちろん、他のクラスの同級生や、どこでいつの間に知り合ったのか見当もつかない、見覚えの無い上級生や下級生も混じっていた。 「まさか二渡が、こんな事になるなんて。その上天涯孤独の身の上だったなんて、遣る瀬無いな」 珍しく沈痛な面持ちでそう語ったのは剣正だった。 「短い間だったが、彼女とはなかなか気が合ったものだ。もうすぐ引退する三年生の代わりに、共に剣道部を盛り上げて行こうと決意していたのに。時折、本当に稀にだが、彼女の笑い声が寂しげに聞こえる事があったのだ。きっと、心細かったのだろうな」  
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