窃盗団の華麗なる転身

11/12
前へ
/13ページ
次へ
それから半年後。 手元にあった美術品を売り、出来た金で店を開いた僕たち。 「ちょっと!もう開店時間よ!」 「ああん、ママァ。この口紅、色がうっすい。」 「今日はたくさんお客さん来てくれるかしらん。」 僕は、ここでは「ママ」と呼ばれている。 銀さんは「マドモアゼル・銀」で、ティナさんは「レディ・ティナ」だ。 あの日。 僕たちの体の一部は、狂気のコレクター八雲氏に取られた。 そう、KOKANにあるべきはずのものを。 どうやら、八雲氏は男性のそれを集めるのが楽しみらしい。 きっと、彼のKOKANがピノたん並みだから、悔しくて集めているに違いない。 その犠牲になった僕たちはーーーアタシたちになった。
/13ページ

最初のコメントを投稿しよう!

364人が本棚に入れています
本棚に追加