~第2章~

4/42
前へ
/51ページ
次へ
牢獄・・・。 自分で言っていて妙だが実に的を射ているなと思う。 彼は本来ならばこの様な場所にいるような人間ではない。それこそ既にその手に剣を取り、魔法を唱え同族である人間の害なすモノを屠る役目すらもらえるはずなのだ。 それはこの国では騎士と呼ばれ尊敬や敬意や羨望といった対象となり同じくして恐怖や畏怖、最悪絶望の対象ともなる。 彼にはそれだけの力があった。 だからこそーー。 「俺は餓えている」 学園という牢獄に入れられ三年目。 "実につまらない" 彼が入学式で校門を潜り思った一つ目がこれだった。 座学は既に学園レベルなど修めている。自らの知識は実戦・・・つまり命の遣り取りのみで得られる物すら既に得ている。 この学園には多くの未来ある子供達が通い、己の技を魔法を研磨しいずれくるであろう戦いに備え学んでいく。中には貴族の者もいるだろう。幼き頃から専属の教師を雇い学び訓練した貴族の子供だ。 だが、それすらもこの少年からしたら甘い。
/51ページ

最初のコメントを投稿しよう!

6人が本棚に入れています
本棚に追加