~第2章~

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この世の魔法師には属性は一人につき一つしか宿ることはない。 勿論だが彼もそうだ。雷の属性以外を使おうとしても何も反応はない。 何時ものように雷を出した時に感じる身体の中で魔力が絞られる感覚と、あの独特の倦怠感を一切感じないのだ 「暇だな、いっその事学園やめるか」 「なにアホな事言ってんのよあんたは」 そう言って下の階段から顔を出した女子生徒。黒のショートボブに眼鏡をかけたいかにも『委員長です私』と言っているかの様なその姿に一瞬だけ驚いた。 上の小窓ばかり眺めていて、気づかなかったのか? 「・・・誰?」 「あんた、クラスのメンバーくらい覚えなさいよ」 「勝手に予想した感じ・・・委員長?」 「・・・そうだけど、なんか腹立つと言うか含みのある言い方ね」 合っていたようだ。『委員長です私』の人は俺の目の前まで来ると握手の様に手を差し出してきた。 「・・・なにこれ?」 「なにって、ちゃんと覚えてもらう為に友達の握手」 「・・・」 「なによ、その残念な子を見る眼は?」 あぁ、間違っていない。俺は今物凄くアホな子を見る眼をしているだろうと自分でも思っている。 「それより、なんで委員長はここにいる訳?」 「クーリ。クーリュ・ミンストよ。仲のいい人はクーリって呼ぶからクーリでいいわ。」 「人の話聞いてる?」 「はい、よろしくマルス・クライム君」 そう言って『委員長です私』の人は俺・・・マルス・クライムの手を無理やり取り握手の形をとり、満足そうに笑顔になった。 この委員長に対して現時点を持って『アホな委員長です私』に俺の中で降格した だが、握手した時に感じた限り魔力の値などはソコソコ高そうである。 それでも三年間気づかなかったって事は『つまらない』奴なんだろうけど
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